chan Rika blog

1991年生まれの気になった事象などをクリップ

最近読んで面白かった漫画

f:id:masorika:20190402190610p:plain

漫画レコメン第一弾「死ぬほど重たい漫画を読む」みたいにテーマを決めて記事を書くのは続かないな。

今回は連載中の作品という基準だけを据え、つらつらと書こうと思います。アイキャッチは描きました。アイキャッチがイラストのブログがなんか好きなので。

とはいえ第一弾から相変わらず私の最近の趣向は"薄暗い漫画"です。 命とこころの描写を交え、キャラクターの人生が巧みに描かれたストーリーが好きです。第一弾「死ぬほど重たい漫画を読む」でひっかかる作品があった人はぜひ最後まで読んでください。

順番は順不同、6作品です。

 

01 天国大魔境 石黒正数

天国大魔境(1) (アフタヌーンコミックス)

あなたにとって面白い漫画とは何かと聞かれたとき、もちろんストーリーも大事ですがキャラクターの魅力というのは大きい。面白いを超えて作品にハマるとき、大抵「キャラ萌え」の感情が沸いていると思うんだなあ。

f:id:masorika:20190405145843p:plain

マルが男の格好をしている方、キルコが僕っ娘である

それでも町は廻っている」「木曜日のフルット」でおなじみ石黒正数の中性的なタッチで、女の子は甘すぎず、ガサツすぎず、非常に可愛く描かれている。

すごく絵が上手いなあと思う。

ストーリー:荒廃した日本で空家や店を転々として生活し、「天国」を探すマルとキルコ。ほとんどの人は死んでしまったし、食べ物ももうあまり見付からないけれど、冗談を言いながら、互いの身を守るため一緒に行動する二人。

平行して描かれる、とある施設で外の存在を知らされずに暮らす子供たち。その中にいる、マルとキルコにどこか似た「トキオ」と「ミミヒメ」。予知能力の高いミミヒメ(僕っ娘)が言う。「僕が外に出たいなって思っていると、2人の人が"外"から僕を助けに来てくれるの。その一人がトキオにそっくりなんだ…」

ふたつの世界が繋がってくるんだろうと予想しつつ、まだ謎が多い。

AKIRAを彷彿とさせる、荒廃した日本を描く近未来SFです。

 

02 ザ・ファブル 南勝久

ザ・ファブル(1) (ヤングマガジンコミックス)

伝説の殺し屋・ファブルが一般人になって生活する話。

人間が非常〜〜にリアルタッチ。知り合いに同じタイプの人もいないのに、こういう人いる!と思わされる。内容はハードボイルドですが、主人公の「佐藤」は情に流されやすいタイプでもなく、人の命を奪うことに対して特別な感情を抱いているわけでもない。闇業界の怖さを描いた作品でもない。クスッと笑えてしまうけど、サクッと人が死ぬ。

今一番好きな漫画かもしれない。

・笑える
・キャラクターが良い
・ストーリーが面白い

この三つがバランスよく混ざっていて、毎話ごと続きが気になってしまう。一気に読むことをお勧めします。

 

03 ゴールデンカムイ 野田サトル

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

まだ読んでいない人いるんですか?

私は小学生の頃、夏休みの自由研究でアイヌをテーマにしようと調べた経験があります。どんな内容の研究になったかは覚えていないんですが…アイヌ語とか調べてた気がする…それくらい昔から北海道は興味がある土地でした。

純粋なアイヌ人口は今は多くなく謎も多いのですが、アイヌの生活や考え方を丁寧に描いています。

ストーリー:日露戦争で"不死身の杉元"と言われた主人公・杉元が、隠されたアイヌ埋蔵金の噂を聞きつけ、埋蔵金を探す旅に出る。手がかりは網走監獄の脱獄囚の背中に入れられた地図の刺青で、脱獄囚の背中の皮を集めて一つの地図を作らなければならない。途中で杉元が出会うアイヌの女の子「アシリパ」らと共に、埋蔵金を探し出せ!

というストーリー。

新撰組なども出てくるフィクション歴史漫画です。

 

私の近所に行きつけのマタギ料理屋があって、クマとか鹿とか時価で提供しているんですが、異文化の食事を知るというのはとても面白く、ゴールデンカムイを読んだ後にそのお店に行くとアイヌ文化の情報が体験として噛み砕かれるのでとても楽しいです。

 

04 レイリ 原作:岩明均 漫画:室井大資

レイリ 1 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)

私は中学高校であまり歴史に興味がなく、最悪なときには日本史で26点を叩き出した恥ずかしい過去があります。

イラストでしか顔も見たことない人がいつ何をしたか覚えられず、時系列も頭にも入ってこず、そんななので前提知識が乏しく歴史漫画の面白さが分かりませんでした。

 そんな私が初めての勢いで「面白い!」と思った歴史漫画が岩明均ヒストリエ」。そもそも舞台が紀元前4世紀の古代ギリシャなので、もはや別世界の話として読めていいのかもしれない。ヒストリエも読み応えのある漫画なのでぜひ読んで欲しいんですが、紹介したいのはその岩明均さん原作の「レイリ」。

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

一方こちらは日本の戦国時代あたりを舞台にした作品。家族を武士に殺され孤児となったレイリは武田家の家臣、丹波様に助けられ、自分の命を丹波様のために使って死ぬことを望みます。早く殺された家族の元に行きたい一心で、死にたがる。

そんなレイリは丹波様を守るため日々鍛錬しており、刀の腕は大の大人にも引けをとらない。早く戦場へ行って死にたいとレイリは前のめりなのだが、ある日、若年にして天才と言われる武田信勝(武田勝頼の息子)の影武者を任される。

という話。

雑に言ってしまえば日本版 ジャンヌ・ダルク系。

最初は歴史上の人物の名前が出てくる時点で腰が重かったのだが、そんなことは何も関係なくスイスイと読み進められ、さらには続きが気になってくる次第。

歴史漫画が好きな人はもちろん、そうでない人にも読んで欲しい作品です。

 

05 血の轍 押見修造

血の轍(1) (ビッグコミックス)

最近読んで面白かった漫画をリストアップして6作品に絞ったんだけど、記事を書くにあたり作品のこと検索すると、ほとんど「このマンガがすごい!」に入っている作品ばかりなんだね。

大衆的な趣味ということかな。レコメンダーにふさわしいと思うことにします。

惡の華」が代表的な押見修造の連載作品。毒親にあたるんでしょうか、モンスターペアレントでしょうか。母親の息子に対する異常な執着を描いた作品です。

ストーリー:中学生の長部静一にとって、学校生活と家庭、特に母親が世界のすべてで、「お前のところの母ちゃん、過保護だよな」と言われても比較対象がないから分からない。過保護なんだろうかという疑問を抱きつつも、大切にしてくれている母親のことは好きだ。でもだんだん、疑問が確信に変わっていく。

主人公が母親を中心に生活しているから、母親の狂気から読者も静一も逃げられないんですが、その中で唯一の希望的存在となるのが、クラスメイトの吹石さん。

f:id:masorika:20190405160949p:plain

クラスメイトの吹石さん

お互いに意識している関係なため、「長部、今日家に行ってもいい?」とか言って、吹石さんが静一の家庭に踏み込む瞬間がある。そういう真っ当な外界と狂気的な家の中が接触する展開が胸熱で、次巻も楽しみにしています。

吹石さんが優しく静一の闇を救ってあげられたらいいな…と思いますが、ここまでも結構エグい内容なので、そういう甘い考えは捨てます。

ちなみに「惡の華」は挫折してしまいました。岩井俊二監督の映画「リリィシュシュのすべて」を彷彿とさせる青臭さでした。厨二感には感情移入できない年齢になってしまった。

血の轍(1) (ビッグコミックス)
 

 

06 ノラと雑草 真造圭伍

ノラと雑草(1) (モーニングコミックス)

家出少女の話。

ストーリー:JKリフレで働く16歳の家出少女・海野詩織と娘を亡くした中年刑事・山田を描く物語。JKリフレのガサ入れ現場で、山田は事故で亡くなった娘のこずえに似た少女・詩織と出会う。母親からの虐待に傷つき、家出を繰り返している詩織のことが放っておけない山田だが……。 
"ナタリーより引用" https://natalie.mu/comic/news/309020

Twitterで告知見て、タイトルのタイポに惹かれて読みました。素朴な絵柄ですが、若さゆえに無鉄砲な詩織が「どうなってしまうんだろう」という気持ちにさせる。

詩織が悪い友達とつるむ描写もなく、派手な身なりでもなく、ボーイッシュな格好の大人しい子というあたりもなんだか危なっかしさを感じてしまう。刑事の山田も深入りすべきではないと思いながらも気にしており、読者の私たちはいいから早く保護してあげて!という感情で読み進める。

コメディ系も含めてスケバンやヤンキー漫画は昔から好きだったんだけど、やっぱり繊細さゆえの不安定さを描いている作品は入り込んでしまう。

こちらも目が離せません。

ノラと雑草(1) (モーニングコミックス)

ノラと雑草(1) (モーニングコミックス)